Oris Artelier Small-Second Pointer Date (via Malenkov in Exile)
✄————12/15 22:00————✄
場所は意味をもつ。たんなる空間点ではない。場所には物語がある。そこに何があり、何があったのか。そこで何が起こり、何が起こったのか。現在だけでなく、記憶も神話も、場所と結びついている。そうした物語をつなぐものが、人々がそこを行き来した跡——トレイルなのだ。
私たちがそれをどう認識するかにかかわらず、ものや対象は確固として存在している。ただし、個々の文脈に応じたさまざまな見え方があるだけであって、すべての見え方を包括するような絶対的な文脈(=世界)は存在しない。それは別の言い方をすれば、安心して寄りかかれる「全体」などない、という通告だ。目からうろこが落ちるような新しい哲学には見えない。論証の厳密さも疑問の余地がある。ただ、本書は問うてくる。寄りかかれるものがないなかで、尽きることのない意味を、私たちは発掘しつづけられるのか。私たちにそのタフネスがあるのか、と。
ユートピアにはたいてい裏がある。いったい誰にとっての理想郷なのか。ユートピアの発想には、そこから排除されたり、その実現のために犠牲にされたりする人たちがつきものなのだ。つまりユートピアは暴力と結びつくとき、「反ユートピア」へと容易に裏返ってしまう。本書はその事実にも読者の注意を促す。環境破壊や核の脅威、独り歩きする科学技術、暴力の連鎖など、われわれは今ユートピアを夢想しにくい時代を生きている。負の遺産を自覚したうえで、どんなユートピアが可能か
Meghan, Duchess of Sussex wears Antonio Berardi and Aquazzura heels at the Invictus Games closing ceremony in Sydney, Australia on October 27, 2018 (Mark Metcalfe/Getty)
