延々3時間にわたった淀川さんへのインタビュー。そのほんの一部を、「島森路子インタビュー集①」からご紹介します。
21世紀になったら、人間は表向きにはどんどん進歩しつづける。それはそれで結構なことだけど、そういう方にばっかり忙しくなると、マナーがなくなってくると思うのね。行儀作法から人間の心の深いいたわりから、そうしたものを考えるゆとりがなくなってくる。情緒がなくなると思いやりがなくなって、友情も親子の愛情もなくなってくる。するとどうなるか。みんな孤独になっちゃうの。うんと豊かで、うんと贅沢持ってるくせに、心の中には最高の孤独を持つようになる。
それがいいという人もいるかもわからんけど、僕は嫌いだね、そんな世界。そんな世の中を見る前に、早くあの世に呼びにきてもらいたい。だから、ほんとの本音をいうと、21世紀に僕は期待できないの。仕事の上では大成功、人間的には敗北のほうにいくと思う。
無理を承知でいうけど、僕の21世紀への一番の望みは、友情、そして愛情を、ぐっとつかんで離さない世界になってほしいということね。タッタカタッタカ忙しくなって、富はどんどん増えて、みんな相当立派な生活ができるようになるかもしれないけど、心の中はドライになって、人のことを考えない、冷たい個人主義になる。それを少しでも救うためには、これは非常に幼稚な考えではあるけれど、学校の勉強以外のところでもっと遊んで、豊かな心の楽しみを持つようになることが大事なの。